副院長 三上隆浩

 「お口」は、「食べる」「息する」「話す」「笑う」など、大切な役割を担っています。健康の入口である「健口」を保つと、脳が活性化され、からだに活力があふれ、生活に積極性が出たり、表情も豊かになると、これまでもお伝えしました。

 お口の健康とともに、運動・栄養など総合的に実施される「介護予防」は、日々の暮らしの中に広く存在します。今年3月に実施された、厚生労働省の「地域づくりと魅力的な介護予防に関するセミナー」では、「観光×地域資源を生み出す森林セラピーの可能性」として当町の取り組みが紹介されています。また、「飯南町大しめなわ創作館」を拠点とした活動は、就労と収入の確保につながり、手先の作業は、まさに介護予防です。若い世代からベテランまで一緒に活動する多世代間交流であり、出雲大社という文化を担う喜びと誇りを感じながら活動する素晴らしい取り組みです。

 飯南町で、培われてきた大しめ縄づくりの技術を受け継ぎ、出雲大社に大しめ縄を奉納していることは、町民の皆さんはもちろん、県内外に広く知られているところです。神と人との領域を示し、邪なものたちが入ってこないようにするための結界としてしめ縄があるようです。

 さて、出雲大社のホームページを見ると、11月末に執り行われる「古傳新嘗祭」では、「國造は神火・神水にて調理された新穀の御飯と醴酒を天地四方の神々に供し、自らも食して相嘗の儀を行ないました。その後、熊野大社より拝戴した燧臼に『新嘗祭御燧臼』と墨書し、真名井より取り出した小石にて『歯固めの儀』、そして榊の小枝を両手に捧げ持ち、神歌に合わせて神舞を舞う『百番の舞』をお仕えしました。(抜粋) 」と書かれています。「古伝新嘗祭」が、古くより國造自身にとって最も重大な祭事として奉仕されてきたことから、「食べること」それを支える「お口」が、大事にされてきたことが伺えます。

 健口を維持して「邪なもの」(不健康)が入ってこないように、次の一歩を踏み出してみませんか!?