内科医師 日高 美佐恵

 早くも師走となりました。今年1年はどんな年だったでしょうか。私事でいうと、今年新たに禁煙外来を担当させていただきました。禁煙外来は、患者さん自身に習慣を変えてもらうことが治療のメインになり、薬を処方する普通の外来とは少し重点が変わります。本人の努力にゆだねる部分が大きく、残念ながら今回は成功できなかった人もおられますが、成功された人から、「タバコを吸っていた時間が仕事の時間に代わって、効率があがった」「タバコを買うお金を貯めてテントを買い、キャンプに行くようになった」など、生活習慣が良い方向に変わったという報告を受けるようになりました。 
 悪しき習慣が改善されていくのを目の当たりにし、自分のことを振り返ってみました。

 ちょうど45歳になり、更年期に差し掛かったのか、肩こりがひどくなったり、めまいがしたり、元々の慢性頭痛の頻度が増えて、鎮痛剤を飲むことが多くなっていました。皆さんを見習い、私も体に良いことを始めようと漠然と考えていたところ、友人にピラティスを紹介されました。ピラティスは、けがをした人やお年寄りでも余分な体力を使わずに、リハビリとして筋力を鍛えられる運動法です。1回だけマンツーマンで教わり、以後は自宅で入浴後に5分以内の運動を続けているだけですが、背中周りの硬くなっていた筋肉も良く動くようになり、子どもたちに肩もみを頼むこともなくなりました。まだ始めて間もなく、習慣になったと紹介できるほどではないですが、良い習慣を身に付けることは、これからも付き合っていく自分の身体にとっても大切であることを実感しました。

 「習慣を変えれば人生が変わる」と言いますが、大げさではなく、そのとおりだと思います。
 来る年に備えて皆さんも自分の生活習慣を振り返り、改善してみてはどうでしょうか。