医員 吉村美咲

 寒い季節も終わり暑い日が続くようになりました。今月は熱中症についてお話ししたいと思います。

 熱中症を引き起こす原因は、気温だけではありません。湿度や風などの状況によっても変わってきます。熱中症は、立ちくらみや筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感が出たり、ひどくなると意識がもうろうとしたり、けいれんを引き起こします。高齢者や乳幼児、肥満の方、下痢などで脱水状態の方、二日酔いや寝不足などで体調不良の方は普段に増して注意が必要です。

  • どんな状況で多く発生しているか
     年齢別に見ると、中高生は運動中、成年は作業中、そして高齢者は在宅中に多く発生しています。中でも高齢者の在宅中の熱中症発生件数は全体の半数を超えています。
  • 熱中症かもと思ったら
     まずは風通しの良い日陰やクーラーの効いた室内に移動しましょう。濡らしたタオルを体にあてて、うちわや扇風機等で扇いで体を冷やします。首の付け根や脇の下、太ももの付け根に氷などを当てて皮膚のすぐ下を流れている血液を冷やすことも効果的です。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げられるかにかかっています
  • 熱中症にならないために
     暑さを避け、こまめな水分補給を心がけましょう。運動時や作業時には30分に1回の水分補給。起床時、入浴前後の水分補給も大切です。アルコール飲料での水分補給はNGです。また高齢者はのどの渇きを感じにくくなっているため、のどが渇く前に水分補給をしてください。のどが渇いてからでは遅い場合もあります。

 熱中症は死に至る恐れのある病態です。でも適切な予防法を知っていれば防げます。じめじめと暑くなるこの時期、熱中症にならないように気を付けていきましょう。