島根県立中央病院 総合診療科 上野伸行

 飯南病院での勤務が始まったのは平成29年10月。離島や山間地で働ける医師になりたいと思い、島根県立中央病院で総合診療科を専攻していましたが、こんなにも早く、目標とする地で勤務するとは思いもせず、はじめは不安でした。しかし、病院へ行ってみると、町の皆さんやスタッフが暖かく迎えてくださり、少しでも皆さんが安心して毎日が送れるように支えたいと思いました。

 飯南病院で働き、分かったことは、「地域医療は目の前の患者さんだけではなく、家族や住んでいる地域、交通手段や気象条件等、多くのことを考える必要がある」ということ。例えば、高齢で雪の中、外来に来るのが難しそうなときは、状態が許せば暖かくなってからに調整したり。一人暮らしができていた人が、入院で一人暮らしができなくなってしまった時、近所の人の協力や家族間で調整をして、自宅での生活が維持できるようにしていました。

 なぜ、このようなことができるのか。それは、飯南病院や各サービスに関わる人、家族が、みんな同じ方向を向いているからだと思います。どうしたら患者さんにとって最も良いかをそれぞれの立場で真剣に考えています。病院が大きくなればなるほど、住んでいる地域が都市になればなるほど、細かい調整はしにくくなります。その点、飯南町はぎゅっとまとまった質の高いサービス提供ができていると感じました。

  • 最後に
     飯南病院の先生は皆さん総合診療医です。“病気だけではなく、どんなことでも、困ったことがあれば相談できる先生”です。「こんなことを先生に聞いて良いのかな」と思うことでも勇気をもって聞いてみてください。

 6カ月間という短い間でしたが飯南病院の一員として働かせていただきました。また、皆さんとお会いできるその日まで日々精進します。その際には、またよろしくお願いします。ありがとうございました。