院長 角田耕紀

 こんにちは、飯南病院の角田です。コロナ禍で、家から出る頻度も少なくなり、運動不足による「コロナ太り」という言葉を聞きますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 身体を動かすことが、病気のリスクを下げ、健康長寿につながることは、すでに常識ですよね。では、どんなスポーツに取り組むのがよいのでしょうか?

 近年、数あるスポーツの中で、何が最も「健康・延命効果」を期待できるのか複数の検討がなされ、一つの結論がでています。答えは「テニス」です。
 ある研究では、習慣的にテニスをする人は、全く運動しない人よりも平均9・7年寿命が長かったと報告しています。
 この研究で比較された8種のスポーツの中でも、特にテニスの効果が突出しており(下記の表)、運動時間はそれほど長くないにもかかわらず、高い効果が示されています。逆にジムでの運動は最も長い時間にもかかわらず、寿命の延長効果は1・5年という結果でした。
 また別の研究では、約8万人の男女を対象に6種のスポーツ分野と死亡リスクとの関連を分析したところ『テニスなどのラケットスポーツ』を普段から行っている人は、運動をしない人に比べ、全死亡リスクが47%減少し、心臓血管疾患の死亡リスクが56%減少したことが判明したと報告しています。

 このように「テニス」が健康スポーツとしてダントツに優秀な結果となった理由ははっきりしません。しかし、上位のスポーツに共通するのは、

  1.ある程度、強い負荷を繰り返す運動スタイルであること、
  2.道具を使用する戦略的スポーツであること、
  3.仲間や相手の存在やコミュニケーションが重要なスポーツであること

 などが挙げられています。つまり、軽い運動を一人で長時間行うより、少しきつめの運動を、頭脳とテクニックを使いながら、仲間とともに楽しく取り組むことがより効果的であると言えそうです。

 実は私も、数年前に息子がテニスを始めたのを契機に一緒にテニスを始めた一人です。「さあ何かスポーツを!」と考えておられるなら「テニス」をはじめてみませんか?

運動不足の生活 をした人と比べての 平均寿命の差