医師 日高美佐恵

 「健康」は、「病気がない、虚弱でないということだけではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」と定義されてきました(WHO)。
 しかし、生活習慣病など、疾患が多様化した現在では、その定義に当てはめると「健康」な人はほとんどいなくなってしまいます。

 そうした中、2011年オランダのフーバー先生が、「健康」を「社会的・身体的・感情的問題に直面したときに適応し、本人主導で管理する能力」と定義しました。難病や癌を患っていても、その病気に向き合い、前向きに生活できていればそれも「健康」という考え方です。

 ここで大切なのは本人主導であるというところです。

 「健康」を図のように6つの因子を参考に考えます。

 6つの因子

 私を例にとってみると、日常の機能、身体的機能は昨年から始まった更年期により、イライラや動悸など、不調を感じていました。

 これからのことを考えると治療というより、まずは体を動かしてみようと考え、トレーナーの方に習い、ストレッチを日々5分程度ですが取り入れました。

 社会生活はといえば、子ども関連の付き合いがストレスでしたが、無理に参加するのをやめました。

 ストレッチを習慣とし、わずらわしいストレスから抜け出し、超個性的な子どもたちの子育てなどの大変なことを他人と比較さえしなければ、今の私はまずまず「健康」と向き合えていると思います。「生きがい」の項目は、もう少し頑張らなくては…笑

 皆さんや、皆さんの周りの人は「健康」ですか?「健康ではない」と感じているとしたら何が原因でしょうか?病気そのもの?あるいは他の要素にも向き合った方が良いのかもしれません。